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駅前町歯科診療所

定期的なメンテナンスは必要なのでしょうか。3ヶ月に1回その意味とは?

Updated: Jan 11, 2023


患者さんから定期的にクリーニング(専門用語でいうスケーリング)を受けた方が良いですか?

と訪ねられることがあります。

皆さんも”3ヶ月に1回歯科医院を受診して口の中をきれいにしてもらいましょう”という、まるでこれが当たり前とでも言わんばかりの文言を、1度は耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。

でもちょっと待って下さいよ。

これって果たして全員にあてはまることなのでしょうか?

毎日のセルフコントロールをルーズにしようが、体質的にむし歯にならない人や、歯周病にならない人は実際にいらっしゃって、歯周病になりやすい人、やたらと汚れがつきやすい人もいる。歯周病の免疫力が高い人は、プロフェッショナルケアは1年たとうが2年たとうが、普段本人がすごく綺麗にしていれば、それこそ気になった時にどうぞって。。

ただし、体でも、物でも、大事に使えば長持ちするのは自然の摂理ですよね。不摂生を控えた運動している体であったり、手入れされた道具であったり、例えば車のオイル交換であったり。。

当然歯にも当てはまることだとは思います。

そこで、歯の大切さを重んじている方であれば、定期的なメンテナンスとあいなる訳ですが、私どもでは、定期メンテナンスを促すハガキや、メール、電話等自発的にはいっさいおこなえておりません。行き届いてなくて済みません。そもそも余計なメール!?は受け取りたくないし、ハガキなんてゴミになりかねないとも思うので、このようにマーケッティングのマの字も出来ない訳ですが、あくまでも患者さんご本人に意識をもってもらいたく、主体性を尊重したいのが一番の理由なので、ご了承下さい。

ただ”忘れるから近くなったら連絡して”とか、”予約当日に電話ちょうだい”等の希望は実際に受け付けておりますので、気兼ねなく仰って下さい。ぜひ対応させて頂きます。

もちろん、1ヶ月に1回きれいにしてもらいたいと訴える方もいらっしゃるので、それも対応させて頂いておりますが、そういう人ってだいたい普段からキレイにされているんですよね。

本当に問題のある方こそ、問題を先送りにしているような。。。

ではメンテナンスの間隔は個人によってさまざまではあれど、なぜほとんどの歯科医院が3ヶ月と声を揃えるのでしょう?

もともとはミシガン大学の歯周病学講座教授のRanford(アメリカ歯周病学の権威)が、歯周病動的治療(主に外科処置)の内容に関わらず歯肉を安定的に維持できたリコール間隔が3ヶ月であったことから、唱えられた疫学調査によるものでした。

かたや、Lindhe率いるスウェーデン学派の研究では2週間に1回のプロケアで何も問題は起こらなくなるというものでした。 

そもそも北欧にある国民にまったくむし歯をつくらせないスウェーデンでは、予防歯科が大変発達しておりまして、子供がむし歯をつくれば虐待と言われてしまうようなお国柄。もちろん福祉に手厚く、教育、医療は基本国がフォローします。

そのかわり消費税はお高いですが。。

では日本はどうなのかといいますと、現状残念ながらメンテナンスの概念は保険診療には含まれておりません。治すことには医療費使えるけど、疾患をつくらないこと(予防)には予算は組めませんとの厚労省のお達し。さらに歯科治療費は、ヨーロッパをはじめとした先進国の中では抜群に安く設定されております。

これでは、むし歯になったら治せば良いやってなりますよね。

ましてや、定期メンテナンスは保険きかないので各自実費でやってくださいでは、今大丈夫だしって気になりやすいですし、だれも関心寄せませんよね。

行政はとにかく時間のかかるものですが、確実に進歩はしていきます。

歯科に限らず医療の捉え方も治療から予防へと少しずつかわってくるといいですよね。

で、さすがに2週間毎だとお互い消耗しそうなので苦笑、うちでは必要に応じてという話をさせて頂きつつ、個々に対応させて頂いております。詳しくはまたお尋ねください。

ところでこの3ヶ月問題ですが、治療継続期間が3ヶ月空くとカルテが初診(初診料は再診料のおよそ5倍)に戻るから最短で3ヶ月に1回来てもらうようにしようなんて発想の歯科医院!まさかないですよね?

出産を終えたMちゃんが来てくれました。

赤ちゃんは癒されますね〜。

さあ、新米お母さん!

大変なこともあるだろうけど愛情たっぷりで育てて下さいね〜。


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